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長崎に原爆が投下された62年後の2007年8月9日、被爆地・長崎市出身のシンガー・ソングライターさだまさし(55)が広島で平和のためのコンサートを行った。 コンサートは、原爆ドームの近くに建つ広島市民球場で、同球場開設50周年記念 「2007 夏 広島から さだまさし」として開催された。 さだまさしは1987年8月6日、長崎市で「長崎から広島に向って歌う」無料平和祈念コンサート『夏・長崎から』を開催。以後、昨年(2006年)までの20年間に亘り毎年8月6日に行い、地元市民だけはなく全国からファンが集まる長崎市の夏の一大イベントとなった。 「音楽家として、平和を考えるゾーンへの呼び込み役を果たすだけ」と言いつつ、「8・6、8・9の意味が忘れられつつある今、2つの被爆地をつなぐ歌を歌いたい」として平和を歌で紡いできた。 だが、「切迫感が薄まった」として、昨年8月6日の「2006 夏 長崎から さだまさし ファイナル」をもって20年間続けてきた長崎でのコンサートを終えた。 その際、「行(ぎょう)を終えるにあたり、最後に広島から長崎に向かって歌いたい」として、「来年は8月9日に広島から長崎に向かって歌うコンサートをやるよ」と宣言して、この日に至ったのである。 さだまさしが「長崎の原爆の日に、広島から長崎の空へ向かって、広島の人たちと歌いたかった」と会場の広島市民球場に詰め掛けた約3万2000人に語り掛けると、聴衆からは大きな拍手がわいた。 「20年の思いを収めるためにも広島でやりたかった。長崎の原爆の日に広島で歌って長崎と広島をつなげたい」。その思いを胸に、さだまさしの澄んだ歌声が、広島から長崎の空に向けて響き渡った。 そして、さだまさしは、平和への思いを聴衆に訴えた。 「ちょっとだけでいいから、あなたの大切な人の笑顔を思い出してください」 「その大切な人の笑顔を守るために何ができるか・何をすべきかを一人ひとりが考えてほしい。それが平和への第一歩」 「反戦のためにすべきこと 思うだけではなく行動を起こそう」 「僕は長崎をあきらめない。僕は平和をあきらめない」 コンサートの模様は、NHKBS2で8月24日夜10:30から録画放送された。 コンサートでは、加山雄三やBEGIN、山崎まさよしら8組の歌手もゲストとして登場。最後は全員でさださんの曲「祈り」を合唱して4時間半にわたったステージを締めくくった。 そして、満員の会場から鳴り止まないアンコールに応えて、最後にさだまさしが「遙かなるクリスマス」を歌った。21年間の平和祈念コンサートを締めくくるにふさわしい反戦の思いを込めた熱唱だった。 私は始めて聴いた曲だが、私のハートは強烈に揺さぶられた。 この曲は、イラク戦争をモチーフにした強烈な反戦歌で、さだまさしが2004年9月23日にリリースしたオリジナル・アルバム『恋文』(こいぶみ)の収録曲。2004年の第55回NHK紅白歌合戦では、この曲を短縮バージョンながら披露している。 その感動はとても拙文では表せないが、せめて歌詞だけでも掲載しておきたい。 遙かなるクリスマス 作詩・作曲:さだまさし メリークリスマス 二人のためのワインと それから君への贈り物を抱えて駅を出る メリークリスマス 外は雪模様気づけば ふと見知らぬ誰かが僕にそっと声をかけてくる メリークリスマス 振り向けば小さな箱を差し出す 助け合いの子供達に僕はポケットを探る メリークリスマス 携帯電話で君の弾む声に もうすぐ帰るよと告げた時のこと メリークリスマス ふいに誰かの悲鳴が聞こえた 正面のスクリーン激しい爆撃を繰り返すニュース メリークリスマス 僕には何も関係ないことだと 言い聞かせながら無言でひたすらに歩いた メリークリスマス 僕達のための平和と 世の中の平和とが少しずつずれ始めている メリークリスマス 誰もが正義を口にするけど 二束三文の正義 十把一絡げの幸せ つまり嘘 メリークリスマス 僕はぬくぬくと君への 愛だけで本当は十分なんだけど メリークリスマス 本当は気づいている今この時も 誰かがどこかで静かに命を奪われている メリークリスマス 独裁者が倒されたというのに 民衆が傷つけ合う平和とは一体なんだろう メリークリスマス 人々はもう気づいている 裸の王様に大人達は本当が言えない メリークリスマス いつの間にか大人達と子供達は 平和な戦場で殺し合うようになってしまった メリークリスマス 尤も僕らはやがて自分の子供を 戦場に送る契約をしたのだから同じこと メリークリスマス 子供の瞳は大人の胸の底を 探りながらじわりじわりと壊れてゆく メリークリスマス 本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ メリークリスマス その隣で自分の幸せばかりを 求め続けている卑劣な僕がいる メリークリスマス 世界中を幸せにと願う君と いえいっそ世界中が不幸ならと願う僕がいる メリークリスマス 僕は胸に抱えた小さな 君への贈り物について深く深く考えている メリークリスマス 僕は君の子供を戦場に送るために この贈り物を抱えているのだろうか メリークリスマス 本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ メリークリスマス 本当に本当に君を愛している 永遠に永遠に君が幸せであれと叫ぶ メリークリスマス 凍りつく涙を拭いながら メリー メリークリスマス 生きてくれ生きてくれ生きてくれと叫ぶ メリークリスマス 雪の中で雪の中で雪の中で メリークリスマス 白い白い白い白い雪の中で メリークリスマス メリークリスマス … ○ビギンに渡されたバトン 今年で終焉したさだまさしの平和祈念コンサートは、沖縄・石垣島出身の3人バンドBEGIN(ビギン)に引き継がれた。 ビギンは、2001年から沖縄で数千人規模の音楽イベント「うたの日コンサート」を毎年行ってきた。 「うたの日」は戦時中、大声で歌うことが許されなかった沖縄の人たちが、ひっそりと歌って踊ることで励まし合ってきたことを後世に分かりやすく伝えるため、01年にビギンが設定した。「歌えることに感謝しよう」と、沖縄県が定める「慰霊の日」翌日の6月24日以降の土曜か日曜に「うたの日コンサート」を行ってきた。 7年目を迎えた今年の6月24日、ビギンは沖縄・宜野湾市海浜公園で約3万人を集めた無料ライブ「うたの日カーニバル」を開催した。さだまさしから、「バトンを渡せるのはビギンしかいない」との後継指名を受けた3人は、すぐに快諾し、従来の有料であった「うたの日コンサート」をリニューアルした。 デビュー18年目を迎えたビギンの「歌を通じて平和を訴える」という願いがこの日、新たなスタートを切ったのであった。 NEXT 悠々寛大 トップページ (最近の記事一覧) |
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