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この記事は、先日行われた、「NHKのど自慢チャンピオン大会」で見事グランドチャンピオンに輝いた清水博正さんに、ささやかなお祝いとして書かせていただきます。 「知床の岬に はまなすの 咲くころ 思い出して おくれ 俺たちの事を・・・」 私は今、加藤登紀子が歌う「知床旅情」のCDを聴きながらブログを書いている。 この曲は、森繁久彌が作詞・作曲し、竹村次郎の編曲で加藤登紀子が歌って大ヒットした。 今日、二胡を抱えて外出先から帰ると、次の記事に、上述の清水博正さんからコメントが届いていた。 (2007年3月18日付記事) 「NHKのど自慢チャンピオン大会 〜心に響いた感動の歌声〜」 http://yuuyuukandai.at.webry.info/200703/article_17.html 清水博正さんが歌った「雪簾(ゆきすだれ)」は、今でも私の脳裏と心に残っている。 今日は、素晴らしいハートと素晴らしい歌声の持ち主との触れ合いを、名曲に転化して書いてみたい。 以下に、私の魂を揺さぶる哀愁を帯びた名曲、「知床旅情」の誕生について紐解く。 流氷に囲まれた知床半島 まず、加藤登紀子が歌う「知床旅情」を“You Tube”で聴いてみよう。 次のアドレスをクリックすれば、自動的にスタートする。 http://jp.youtube.com/watch?v=T40Tx2WS6Ag この曲が誕生したのは、今から47年前の1960年(昭和35年)であった。1913年生まれの森繁久彌が、47歳の時のこと。 この年、森繁は、戸川幸夫の小説「オホーツク老人」を、「地の涯に生きるもの」として自らの主演で映画化し、当地にてロケを行った。この小説が発表されたときに一読した森繁は、「これは自分のために書かれた小説だ」と思い、映画化したのであった。 思い入れのある映画の作成に没頭する森繁。その姿に、知床の人は無償で協力した。 ロケも終盤にさしかかったころ、森繁はどうしても船の難破シーンを撮りたかったので、村長に協力を要請した。 しかし,村長はなかなか首をたてに振らなかった。 なぜならば、前年に難破事故が発生しており、多くの人々が亡くなっていたからである。 しかし,森繁は難破シーンを撮りたい一心で、何度も何度も村長を訪ね懇願した。 そのいきさつを見ていた村人たちは、いたたまれず「森繁さんが、そんなにお願いするのなら協力しよう」、ということになった。 そして、撮影の当日。多くの漁船が映画の撮影に協力し、難破シーンの撮影が実現した。 ロケ撮影も全て終了し、森繁が知床の羅臼村(当時)を離れる日がきた。 その前夜のことであった。 森繁は村の人に書くものを準備してもらい、達筆で一気に詩を書き上げた。 それが、「知床旅情」(当時の題名は「さらばラウスよ」)であった。 詩を書き上げると、すぐさまギターを爪弾き、あっという間に作曲もしたのであった。 そして、森繁は、離村を惜しみ森繁を取り囲んだ羅臼の人々に、惜別と感謝の想いを込めてギター片手に、「知床旅情」を披露したのである。 雪と流氷に包まれた羅臼町 (後方は羅臼岳) 私も、森繁が歌う「知床旅情」を聴いた記憶があり、その純朴でしみじみと知床の旅情を謳い上げた歌声は、今でも私のハートに宿っている。 森繁は、飛び抜けて上手な歌手ということではない。しかし、人の心に感動を与えるということでは、飛び抜けた歌手であると断言できる。人々から「森繁節」と言われた所以であろう。 歌はこうありたいものだ。その人が思い描く曲想を、その人が持っているハート・感性・声質・声量で最大限に表現すれば、聴く人に必ずや感動を与えることであろう。 森繁が作った「知床旅情」は全国津々浦々で愛唱された。 それにより、知床ブームが起きた。斜里町では前年より約23万人増の約70万9千人の観光客が訪れたという。 そして、1964年(昭和39年)に知床が国立公園に指定されたが、「知床旅情」が大きな力となっているのであろう。 その後、この曲は1971年(昭和46年)に、加藤登紀子が歌って大ヒットした。 加藤登紀子のためにアレンジした竹村次郎は、森繁が作った原曲の曲想を損なうことなく、加藤の持ち味を最大限に引き出している。だからこそ、人々の心に響き大ヒットしたのであろう。 羅臼市街のはずれ、羅臼漁港の山手にある「しおかぜ公園」。 ここには、映画「地の涯に生きるもの」で森繁久彌が演じた、「彦市老人」をモチーフにした「オホーツク老人」の像が建っている。 そして、その横には森繁自身の筆で掘られている「知床旅情」の詩碑がある。 知 床 旅 情 作詞・作曲 森繁久彌 知床の岬に はまなすの 咲くころ 思い出して おくれ 俺たちの事を 飲んで騒いで 丘にのぼれば はるかクナシリに 白夜は明ける 旅の情か 飲むほどに さまよい 浜に出てみれば 月は照る波の上 今宵こそ 君を 抱きしめんと 岩かげに 寄れば ピリカが笑う 別れの日は来た 知床(ラウス)の村にも 君は出て行く 峠をこえて 忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん 私を泣かすな 白いかもめよ 白いかもめよ |
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